<和子>
 
この角ですか。その人が見つかったのは。
 
うちのおばあちゃんが仲良くしてたんですか。その人の娘さんと?
小さいお子さんでしょう?
子供が好きでしたからね。散歩してて、通りすがりの子供を見かけると、すぐニコニコ声をかけてたから。
お父さんがそんなことになってねぇ、気の毒だったねぇ。その娘さん。
 
おばあちゃんは、亡くなりました。つい先日です。
いや、お悔やみ言われるような年じゃないですよ。94歳でしたから。
もうね、このまま死なないんじゃないかって思ってたからねぇ。亡くなった時は、悲しいっていうより、ちょっと驚いたわね。
そりゃ、人間だからね、いつかは死ぬんだけども。
90歳過ぎた老人ってね、生きてる状態でも、半分死んでるみたいな感じじゃない?
もう身体も心も、半分はあの世に行ってる感じだからね。今さら、亡くなりました、なんて言ってもねぇ。
ちょいちょい遊びに行ってた隣町のお友達の家に、ずっとお邪魔することにしました、みたいな感じ?ははは。
本当に、死ぬ間際までピンシャンしてました。
予感があったのかもしれないけど、亡くなった日には、ぱたぱた、部屋の掃除とか自分でして、いつもに増して身の回りを小綺麗にしてね。
翌朝、部屋に起こしに行ったら、冷たくなってた。
大往生です。すごい人だったねぇ。
 
あなたくらいの年の人から見れば、私もいいおばあちゃんでしょう?
でもねぇ、大正生まれの人は、昭和生まれの私なんかとは出来が違う気がするね。
なんていうかね、大量生産したモノと、職人さんが作ったモノ、くらい違う感覚があるね。
おばあちゃんが死んだ時には、本当にそう思いましたよ。職人さんの作ったいい置物が天国に行っちゃった、みたいな。
 
うちは古い家でね。このあたりがまだ野原だったころからずっと住んでる。
私が子供の頃にはまだ畑もやってたけど、私がお婿さんもらって家を継いでからは、畑も手放しちゃった。
子供の頃の村の面影はほとんど残ってません。この五叉路と、道祖神くらいかなぁ。
この角の道祖神は、私が子供の頃からあるね。
 
この道祖神を頂点にして、五本の道がここで交差してる。きれいな五叉路。
ほら、右斜め前の、あの道の先はね、駅に通じる道だけど、昔は何もありませんでした。
周りは畑ばっかりでね。この五叉路から、駅舎とか、鉄道を走る汽車の灯りが見えるくらい、見渡す限り何にもなかった。
日が暮れてから、あっちの駅からこの村まで歩いて帰ってくるのは、なんだか怖かったですよ。街灯もほとんどないからねぇ。
駅前からどんどん住宅街になって、旧村のこの周辺よりよっぽど洒落た街になったけど、昔は怖い道でした。
 
この角でね、怖いことがあったって聞いたら、そりゃ確かにびっくりするけど、なんだかね、なるほど、と思っちゃうのよ。
村の中でね、不思議なこととか、怖いことが起こっても、あそこなら、なるほどって思っちゃう場所って、あるでしょ?あそこなら、そういうことあるよね、って。
幽霊屋敷みたいな建物とか、神社とかお寺とか、何か出ても不思議じゃないような場所ってね。
この角もねぇ、そういう場所だと思うの。昔から。
それこそ、おばあちゃんに聞いた話だけど。
 
あの、駅に通じる道はね、村にとっても、怖い道だったそうですよ。
旧街道から川沿いにあるこの村に向かって伸びた道。村と外の世界をつなぐ道。
旧い村にとっては、外から来るものって、まずは恐ろしいものじゃないですか。
なにか、村の平和を乱すかもしれないような。
それでこの道祖神を作ってね。外から来るものから、村を守っていたんだと思いますよ。
 
だからね、この角で、そんな不思議なことが起こったって聞いても、私は驚きませんでしたねぇ。
なるほどなぁ、って、なんだか得心してしまった。
今みたいに色々と便利になってね、不思議なこととか、あんまりみんな信じなくなった世の中でもね、私くらいの年ごろの人間はまだ信じてますよ。
何かしら、目に見えないけど、そこにあるものってね。
たぶん、その人は、そういうものに取りつかれたんでしょう。
気の毒といえば気の毒だけど、取りつかれるってことは何かしら、理由もあったんじゃないのかしらね。
そう思いますけどね。
 
それこそ、うちのばあちゃんだってね、今でも、この道祖神のそばにニコニコ立って、村の子供たちを守ってるのかもしれないよねぇ。
今でも、なんだか信じられないんですよ。あのおばあちゃんがもうこの世にいないんだってね。
そういう不思議なことがあったって聞かされるとなおさらね。
そう思いたいだけなのかもしれませんけどね。
 
<康子>
 
この角ね。あの人が見つかったのは。
 
警察から連絡があったの。事前に相談もしてたから。身元が確認できてすぐに、連絡くれた。
私たちの家に近寄ってもだめ、って、裁判所がいくら命令しても、地元の警察が把握してないと、禁止もできないでしょう?
引っ越してきた時に、警察署に行って、事情を話して、あの人の名前とか、写真とかも渡して。
思ったよりずっと親身に、色々相談に乗ってくれたわよ。定期パトロールのルートを変更して、毎日見回ってくれたり。
でも、そういうの、限界があるから。
結局、あの夜、あの人はここまで、もう少しで、私たちに手の届くところまで来たわけだし。
近所の人とかに聞いたら、何度か下見に来てたこともあったらしい。
 
優しい人だったのよ。
付き合ってた頃も。結婚してからもずっと。
美里が産まれてからも、ずっと、優しい父親だった。
 
変わっちゃった原因って、思いつくような、思いつかないような。
一つだけじゃないと思うの。
ちょっとした毎日の会話とか、生活の中のちょっとしたことの積み重ね。
部屋の電気を消し忘れた、とか、携帯に電話しても出なかった、とか。
こうあるべきなのに、そうなっていない。こうなるはずなのに、そうならない。小さな苛立ち。そういうことの積み重ね。
自分たちにはどうしようもないこともある。
出かける予定が雨で中止になったり、急に美里が熱を出したり。
人生で、思うように行かないことって、たくさんあるじゃない?
コップに、ぽたぽたしずくが垂れて、だんだん水がたまっていくみたいに。
そういう日々のきしみや、ずれがたまっていく。
そして、最後の一しずくで、それが一気にあふれる。
 
あふれないで、溜めこまないで、うまく吐き出す人もいるし、
そもそもそんなしずくがこぼれてこない人もいる。
でも、あの人はそうじゃなかった。
優しい顔の奥で、ゆるゆるとどす黒いものが溜まっていった。
そしてある時弾けた。
弾けてしまったら、一線を越えてしまったら、それはすぐに日常になった。
 
初めて殴られた時のことは、よく覚えてる。
私が友達と久しぶりに会う約束をしていて、あの人に美里のお迎えを頼んだ。
あの人は、いいよって引き受けてくれたのに、きれいさっぱり忘れてしまって、いつものように残業して、いつものように外で晩御飯を食べて、ビール飲んで夜遅くに帰ってきた。
幼稚園から私の携帯に電話があって、私が慌てて迎えに行った。
私も頭にきて、帰ってきたあの人と口論になった。
どうして忘れてたの、朝もちゃんと確かめたのに、いつだってこっちの言うこと話半分にしか聞いてないでしょ。
いつもの不平や不満をぶつけて、あの人は謝り疲れて、不貞腐れて、分かったよ、悪かったよ、もううるさいよ、なんてぶつぶつ言いながら、自分の部屋に戻る。
そういう、よくある小さな言い争いのはずだった。
 
私の都合とか予定とか、いっつも無視するんだよね、と私が言った瞬間、彼の顔がどす黒くなった気がした。
そこで気づくべきだったのかもしれない。でも、私は気づかなかった。
この間も、と言いかけた瞬間に、左のこめかみに衝撃があった。
身体ごと吹っ飛んだ。
食卓にぶつかって、美里のお皿が床に飛んだ。割れなかったけど。
左耳がキーンって鳴って、周りの音が遠くなった。
美里の泣き声が、遠くに聞こえた。
視界が朦朧とした。
その視界の端で、食卓の上のお醤油差しが倒れて、お醤油がとくとく流れているのが見えた。
その向こうに、あの人の顔が見えた。
あの顔が忘れられない。今でも頭の中から消えない。
多分一生消えないんだろう。ずっと私の心の傷になるんだと思う。
 
美里の心の傷にもなってると思う。
癒す方法なんかない。
あの日から、あの人は、あらゆる種類の暴力を私に加えたし、美里がその場にいるかいないか、なんて頓着しなかった。
あの人が、私から、人間としての尊厳を全て奪っていくのを、あの子はすぐそばで見ていた。
今でもカウンセリングは受けてるけどね。二人とも。
傷を完全に消すことはやっぱり無理で、なんとかそれとうまく付き合っていくしかないって、カウンセラーさんも言ってる。
 
あの人がここでどんな目に会ったか、あの子には知らせてない。
でも、いつか伝えないと、とは思ってる。
伝えたところで、あの子の心の傷は癒えないけどね。
でも、少しは安心させてあげられるかもって思う。
あの人が、私を殴ることは、もう二度とない。
あの人はもう、誰かを殴ることなんか、二度とできないんだって。
 
<志垣巡査>
 
この角で、当人を発見しました。
 
午前2時55分でした。
 
ほぼ全力疾走状態でした。相当疲労している様子でしたので、少なくとも2〜3時間以上、走り続けていたのでは、と想像します。
身体上の疲労だけでなく、精神的にも半ば錯乱状態であったと言えると思います。
当方からの呼びかけには反応しました。当方が警官であることも認識しました。
事前に届け出のあった人物であることも、その場で確認できましたので、すぐに確保しようと思いました。
ですが、錯乱状態と、言動に危険な要素があったので、一旦解放し、本官はそばに待機して、応援を要請しました。
反復行動をひたすら続けているだけでしたので、逃亡の危険はないと判断しました。
 
反復行動の目的は分かりません。当人は、接近禁止命令の出ている元配偶者の家に行こうとしている、と明言していましたが、反復行動自体はその目的に沿っているとは思えませんでした。
反復行動の詳細については、添付の図で説明しております。
 
上岩原一丁目の五叉路の中を、全速力で、ひたすら移動し続ける、というものです。
移動のパターンも決まっておりまして、この角にある道祖神を頂点として、五つの角を、一筆書きの星の形にひたすら移動する、という動きです。
 
・・・五芒星、というのでしょうか。
 
応援が来着し、二人がかりで確保いたしました。かなり激しく抵抗しましたが、五叉路の外に連れ出した途端に、失神状態に陥りました。特に本官と応援者で強い外力を加えた経緯はありません。身体を確保した状態で、五叉路の外に引きずるように移動させただけです。
救急車が到着する前に、覚醒はしましたが、意識状態は本日現在、低レベルで推移しています。
 
・・・ほぼ廃人、と言っていいと思います。
 
<美里>
 
この角に、パパがいた。
 
ママには言えなかった。怖くて。
パパは、私に向かって、にっこりして、おいでおいでって、手を振った。
 
走って逃げても、きっとつかまる。
私がつかまったら、ママもつかまる。
そしてまた、パパはママを殴る。
すごい大声で怒鳴ったり、殴ったり蹴ったり、物を投げつけたり、死ねとか殺すとか、言い続ける。
 
パパの方を見たまま、じっと立っていた。
パパはまた、にっこりして、おいでおいでって、手を振った。
そして、一歩、こっちに向かって近づいた。
もう逃げられないと思った。
またママが殴られると思った。今度こそママは殺されるかも、と思った。
神様助けてってお祈りした。
 
パパは、そのままじっと私を見ていた。
そうして、にやっとして、振り返って、駅に向かって歩いていった。
また来るよって、言ってる気がした。
 
おまじないは、そのあとすぐにやった。
 
その晩は、お祈りしながら、眠った。
朝起きたら、おねしょしちゃってて、ママにすごく怒られたけど、パパのことは、ママには言わなかった。
今でも言ってない。
おまじないのことも、言ってないし、おばあちゃんのことも、言ってない。
 
<芳子>
 
この角に、あの子がいたんですよ。
 
他の大人が見たら、子供がなんか不思議な遊びをしてる、と思ったでしょう。
でも、私には分かりました。
だって、私が教えたんですから。
えらいことになった、と思いました。
あの子も真っ青な顔をしてたけど、私も血の気が引きました。
 
おまじないってのはね、何かしら犠牲を伴うものなんです。
そんなに都合よく、神様が、はいはいって言うこと聞いてくれるわけはない。
何かを神様にお願いするには、何かを神様に差し上げなきゃいけない。
あの子に私が教えたのは、そういうおまじないでした。
効き目は確かだけど、犠牲も大きい。危険なおまじないです。
 
私は息を詰めて、私が教えた通りに五叉路の中を歩いている、あの子を見ていました。
この角から始める。この道祖神を背中にして、駅に通じる道に向かって歩く。
呪文を唱えながら歩く。
角に着いたら、次は、あそこの、駐車場の角に向かって歩く。
次は、あっちの、工務店の看板のある角。そうして、あそこの生垣のある角。
そして、この角に戻ってくる。
一筆書きの星の形。
私にこのおまじないを教えてくれた母は、セーマンさまって言ってましたね。
セーマンさまの星形を描くんだって。
 
どうして止めなかったかって?
止めちゃいけないんです。おまじないを途中で誰かが止めると、もっと危ないことが起きる。
始めてしまったら、続けるしかない。終わるまで、見届けるしかない。
呪文を間違えてほしい、と思いましたね。それか、順序を間違えるとか。
それなら、おまじないは効かないし、神様も罰を与えたりしない。大目に見てくれる。
小さな子供のやることだから、最後までやりきるのは難しい。
そこにちょっと希望を持ったんですけどね。
 
なんで教えちゃったのか、と後悔しました。
そんな危ないおまじないを、こんな小さな子に教えてしまうなんて。なんて馬鹿なことしたんだろうって。
小さな子には、人の命や、自分の命の重さって、今一つ理解できないじゃないですか。
自分の命を犠牲にしてでも、守りたいものがある時、そんな大事な時にだけ、使うおまじないだ、って言ったって、中々分かってくれない。
そんな馬鹿な、と思うような、くだらないものに自分の命を賭けてしまう。
若いっていうのはそういうこと。
 
私もこんな年になってね。自分の知ってることを、誰かに伝えておかないとって思っちゃったんですかね。
あの子とお話をしてるとね、なんだかそういう気分になっちゃったんです。
あの子が背負ってるものが見えたんでしょうかね。
並みの大人が想像もつかないような、重たいものを背負ってましたよ。あの子は。
何かしら、自分や、自分にとって大事なものを守る術を、この子に伝えてあげなければ、と思っちゃったんですね。
 
あの子は二巡目に入ってました。セーマンさまの星形を二回、呪文を唱えながら描く。
間違えてくれ、間違えてくれ、と念じながら見てました。
でもあの子は間違えなかった。口の中で唱えている呪文も、一言一句間違ってない。
この子はやり切る。そう思いましたね。この子の覚悟は本物だ。
そして腹が立ちました。猛烈に。こんな小さな子を、そこまで追い詰めたものに。
 
あの子は戻ってきました。この角に。
私がいることに、かなり前から気づいていたみたいでした。
二巡目の星形を描ききって、あの子は私の前に立ちました。
私の顔をまっすぐに見て、真っ白に透き通った唇を開きました。
間違えてくれ、と祈りました。最後の呪文を、間違えてくれ。
 
「セーマンさまにもうす。わたしのいのちさしあげます。」
 
言うなり、あの子は棒みたいに突っ立ったまま、顔をゆがめて、ぎゃんぎゃん泣き出しました。
私が両手を広げて迎えると、この胸の中にすがりついて、全身震わせて大声で泣きました。
ああ、この子は何もかも了解している。自分のやったこと。
そこまでして、自分の命投げ出してでも、この子は大切なものを守ろうと思ったんだ。
こんなに小さい子が、大人に助けを求めることもなく、自分一人でやり切った。
 
それで、決心がついたんです。
もう私は十分に生きた。
あっちの世界のことも、時々見えて、よく知ってる。
こっちの世界に未練もない。
だったら、この子の覚悟に付き合ってあげよう。
この子の将来を、あっちの世界から見守ってあげよう。
 
私は、泣きじゃくっているあの子の背中をとんとん叩きながら、言ったんです。
「セーマンさまに申す。この子の命の代わりに、私の命を差し上げましょう。」
 
すうっと身体から力が抜けました。
なんだか心地よい脱力感でした。
ああ、私はもうすぐ死ぬんだな、と思いました。
ひどくいい気分でしたね。なんだか、やりきったな、生き切ったな、という感じ。
 
あの子は私を見上げました。
私のやったことの意味を悟ったんだと思います。
またぼろぼろ涙をこぼしました。
私はにっこり微笑み返しました。
 
神様ってのは気が利いててね。その日の夜まで、私に時間をくれました。
部屋掃除したり、いろいろ準備をして、さて、今晩眠ったら、いよいよあの世に行くんだね、と思いながら、身支度をして、お布団に入って、気が付いたら、死んでましたねぇ。
 
まだ私はあっちの世界では新米なんでね。
こうやって時々、こっちの世界に遊びに来ます。
道祖神さんがいるこの角とか、出入口になってるから来やすくてね、よく来ます。
あなたも、私が見えるくらいだから、私みたいに、あっちから遊びに来てる人とか、色々、普通の人が見えないものが見えるんでしょう?
だったら、あれが見えますかね。
 
あの男の魂です。
この辻の中の結界に封じ込まれたんですね。
身体は魂が抜けて、ただの抜け殻になっちゃった。
でも、魂だけになっても、ああやって、髪振り乱して、泣き喚きながら、ずっと走り続けてます。
永遠に、セーマン様の星形をたどって、走り続ける。
同じように封じ込まれた怨霊たちに追われて、いつまでたってもたどり着けない目的地に向かって。
自分がもともと何者だったのか、という記憶も、もとの姿も忘れ果ててしまっても、それでもずっと。
 
さて、そろそろあっちに戻りますかね。
だんだん、こっちに来るのが大儀になってくるんです。あっちの方が居心地がいいものだから。
いずれはこの道祖神さんの目から、時々、こっちの様子を覗くくらいしか、できなくなってくるんでしょうねぇ。
こっちは色々辛いことも多いしねぇ。酷いこともたくさんあるから、生きていくってしんどいけど、でもね、神様っていると思いますよ。
私が言うんだから、間違いない。あの子に会ったら、伝えてやってくださいな。
おばあちゃんはあんたのおかげで、この角の神様になれたんだよって。
 
(了)